彼こそは神におわします。
おお主よ、わが神よ。おお弱き者の援助者よ、貧しき者の救助者よ、あなたに向かう無力な者の御救いにおわす御方よ。
私は最大の謙虚をもって、あなたの美の王国に嘆願の両手を挙げ、内なる舌で熱烈に あなたにこう呼びかけております。おお神よ、わが神よ。あなたを崇めることができますよ う、私を援助し給え。あなたに仕えることができますよう、私の腰を強め給え。あなたに隷属する私を御恵みによって助け給え。あなたへの私の服従を確固たらしめ給え。ご恩恵の惜しみない放出を私に注ぎ、ご慈愛のまなざしを向け、お許しの大海に浸らしめ給え。御教えに対する私の忠誠心を強め、更なる確信と確約を私に授け給え。それにより、私が、この世を完全に断ち切り、完全なる献身をもってあなたのお顔を仰ぎ、証明と証言の抵抗しがたい力で強化され、威厳と威力を付与され、天と地のあらゆる地域を通り過ぎることができるようになし給え。まことにあなたは、慈悲深き御方、栄光に満ち給う御方、親切なる御方、憐れみ深き御方におわします。
おお主よ。これらは、祝福された人々の集合なる殉教者たちの遺族であります。彼らは、あらゆる苦難に耐え、許しがたい不正の前で忍耐を示しました。彼らは、あらゆる安らぎと繁栄を捨て去り、あなたの愛の道において極度の苦しみと逆境を甘んじて受けいれました。そして、あなたのまっすぐな道を確固として歩んだという理由で彼らはいまだに押さえつけられ、痛ましい苦悩で彼らを苦しめ続ける敵の手中に捕らわれたままであります。彼らを助ける者はなく、彼らの味方となる者もおりません。下劣でよこしまな者らの他には誰一人、彼らと関わり、交わる者はありません。
おお主よ。これらの人々は、この地上での生活で苦々しい苦悶を味わいました。そして、あなたのお顔の輝かしい美への愛のしるしとして、また、あなたの天上の王国に達したいという熱望により、残虐な者らが彼らに加えた、身の毛もよだつような侮辱行為のすべてを耐え忍んだのであります。
おお主よ。彼らの耳を聖なる援助と速やかなる勝利の聖句で満たし、恐ろしい力を振りかざす者らの圧制から彼らを救い給え。邪悪なる者らの手を引き止め、これらの魂が、獰猛な獣たちの爪や牙によって引き裂かれないようになし給え。なぜなら、 彼らは、 あなたへの愛に心を奪われ、あなたの神聖さの神秘を託され、御扉の前につつましく立ち、あなたの崇高なる聖域に達したからであります。
おお主よ。新しい精神をもって、彼らを慈悲深く強め給え。夜の暗闇の中で、あなたのすばらしい証拠を見ることを可能にすることにより、彼らの目を明るくし給え。永遠の神秘の御国に豊富に存在するすべての良きものを彼らに定め給え。彼らを、あらゆる地域に輝く星となし、多くの果実を実らせる豊かな木となし、 夜明けの微風になびく枝となし給え。
まことにあなたは、恵み深き御方、強大なる御方、全能なる御方、抑制されぬ御方におわします。あなたの他に神はいまさず、あなたは愛とご親切なる慈悲の神におわし、栄光に満ち、常に許し給う御方におわします。